暇日記

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ゲームと漫画のブログです

『仮面ライダー555(ファイズ)』1,2話 感想。それと布教。

 

仮面ライダー555』放送20周年記念とのことで、YouTubeで全50話の無料公開(毎週2話ずつ)が始まった。

ファイズ』は筆者も大好きな仮面ライダーで、「一番好きなライダーは?」という究極の質問をされた際、『ジオウ』とどちらが好きか脳内バトルが始まった後、「冷静に考えるとジオウは他の19作品の思い入れ込み込みの好き感情なんじゃないか」「ということは作品単体の好き度合いで言えばファイズの方が上なんじゃないのか」という結論に至り、「ファイズですかね〜」という言葉が最終的にアウトプットされるくらいには好き。

そんなファイズがありがたいことに無料で観られるということで、早速飛びついて1,2話をバチコリ視聴して参りました。今回はその雑感記事。

 


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1話

前提として『ファイズ』は木場のダブル主人公で話が進んでいく。巧は仮面ライダー側の、木場は怪人オルフェノク側の主人公。そんで1話は主に木場のオリジンが描かれる。

 

裕福な家庭で幸福な日常を送っていたハズが、交通事故にて全てを失い、挙句寝たきり状態となり2年後に命を落とす。

…しかし何故か生き返り、身辺状況を調べていると、叔父に家と会社が売り払われていたり、恋人が従兄弟にNTRされていたりともうめちゃくちゃ。従兄弟の会話を盗み聞きしてそれらを知り、キレた木場は無意識に怪人へと変身して従兄弟をブチ○す。

 

「なんで1話なのに怪人の話メイン?」と思った人も多いと思う。理由として恐らくスリードを狙った為じゃないかなと。「ほーん、コイツが今回のライダーか。いい人そうだな〜」→「お前怪人なんかい!!」って感じで…。

「体が怪人になったとして、心まで怪人になるのか?」というのが『ファイズ』のテーマでもある(と思っている)。木場は表面上良い人なんだけど、激情すると当然のように人殺しを行っている辺り、根っこの部分では怪人の素質アリです。

実際、今後も木場は自己判断でどんどん他人を頃すので、根っこの部分はかなり独善的なんじゃなかろうか。演出や見せ方で「木場はめっちゃ絡みやすくて良い人」みたいになってますが、事実だけ切り取ると結構アブナイ人なのも確か。これからどうなっていくのか、しっかり見守っていきたいと思います。

あとどうでもいいことなんだけど、木場の従兄弟が『カブト』の黒包丁の人で笑った。結構前から出演してらっしゃるんですね。今回のワーム対オルフェノク対決はオルフェノクの圧勝ということでよろしいか?

 

ちなみに仮面ライダーサイドのあらすじは、

バイクで荷物を届けるがてら東京まで向かっていた真理(ヒロイン)は、道中しつこい3人の男達からナンパを受けながらも何とか食事を済ませ、食堂を出る。しかし同じ食堂に居たロン毛男が真理の荷物を見て目を見張り、真理を追いかける。

しばらくして夜、ナンパ三人衆と真理で野営をしていると3人のうち2人が灰化し死亡。ビビっていたところにロン毛男が登場。「バッグを寄越せ」「バッグを寄越せ」と近づいてくるロン毛。

全力で逃げた先に怪人が現れ「ベルトを寄越せ」。ロン毛が犯人では無かったのだ。真理は荷物の中身である「ファイズギア」を装着して変身しようとするがエラー発生。変身できず吹き飛ばされる。

仕方ないので近くに居たロン毛を変身させると「complete」。見事ファイズに変身し怪人撃破。真理が呆然と「これが、ベルトの力…」と呟き第1話終了。

 

何が面白いってはまだ1話時点で名前すら出てきてないトコロ。というか「こいつが犯人か?!」というスリードさえ仕掛けられてるし、怪人を見ても、驚くどころか真理の持ってる荷物の方が気になってるという始末。今回の主人公は肝が太いですねェ〜(すっとぼけ)

一般的なヒーロー作品はヒーローの名前くらい最初に出てくると思うんだけど、この頃の平成ライダーはそのあたり結構尖ってる感じがして好き。巧はめちゃくちゃ不審者だし、初回なのにライダーキックしないし、戦闘時間3分くらいだし。とはいえこれらはクウガ龍騎でも同じような流れだったんじゃないかなと。

一般ドラマ風というか、リアル調というか、「一般ドラマ×特撮ヒーロー」の化学反応から生まれる独特な瞬間風速が平成1期の醍醐味であり、クウガ響鬼まではその成分が多めだったように思う。

『カブト』以降からだんだんと従来の特撮ヒーローの成分が多めになっていって、2期に入ってからは大体「これぞ特撮ヒーロー!」といった塩梅にどれも仕上がってるイメージ。『鎧武』っていう変わり種もあるんですが。

どっちが良いとかそういう訳ではないけど、個人的にはクウガファイズ辺りの試行錯誤感あふれる作りの方が、物語にのめり込んで観ていられるな、とは思う。設定ガー構成ガーを考えるより、純粋に巧の旅の終着点が気になる、みたいな。そもそも筆者自身がキャラクター中心に物語を見がちなのもあるとは思いますが。

なので、最終回のあの着地でも、実はそこまでの消化不良感は無かったのが本音。夢を持たない男が夢を持てるようになった、ってのはちょっとキレイに言い過ぎなんだけど、乾巧という1人の「人間」が自分を受け入れて1歩前進できた事実は確かにあるわけで。ニチアサでこれを子供に見せたい親がいるのかは分からないけど、僕はこれを子供の頃に観られて良かったと思う。

 

あと観ていて思ったのが、この頃は怪人がちゃんと怪人していて、純粋に「怖い」なと。頃された方だって、心臓を燃やされた人が死後ちょっと動いて灰になって死ぬ。いや普通に怖いよ?!

心臓を剣で串刺しにするのもエグい。ガチで頃しにきてるやん…。近年だと、怪人は怖いもの、という「お約束」みたいになっててイマイチ恐怖感が無かった(コンプラ的にしょーがない)んですが、この頃は普通に怪人が人頃してるんで、まさに時代ですね。そりゃ悲鳴上げるわ。俺も絶叫するよ。

1話の怪人関連はサスペンスホラーみがあって、何となくアギトっぽさを感じました。まあ脚本の方が一緒だからってのもありそう。

 

…と、なんかいつの間にか脱線してたんですが、やっぱり『ファイズ』は見応えあるなあという話でした。

あと言い忘れてましたが、開幕十数秒で高岩さんがファイズギア作ってて笑ってしまった。20年前なのでお若い!

 

 

2話

木場の投身自殺未遂から始まり、オルフェノク(怪人)の事や、借家についてスマートレディから教えられる。

その後、公園にて元カノ(従兄弟の殺人事件で事情聴取されようとしている)と出会うが「私を刑事から守ってくれ」と懇願される。返事に迷っているところに刑事が登場。元カノがヒスを起こして逃げてしまう。

追いかけた先で刑事に捕まった元カノに追いつくが、「アイツが(従兄弟を頃した)犯人です!」と犯人扱いされ、堪らず逃亡。

ほとぼりが冷めた頃に再び元カノがヨリを戻そうとしてきた為、これにブチ切れ、殺害。

 

というのが木場側のあらすじ。自業自得とはいえまた頃してんねえ…。どんな思いがあろうと、そんなに人を頃していれば、いつかはその報いが来る…(マフティー)。

また、地味にこの時、元カノちゃんが犯人言い当ててるの面白いんですよね。井上イズムを感じるトコロです。まあこの女も女で結構いろいろやらかしてるんで、マジで自業自得だったりするんですが。

それにしても木場さん、ものすんごい不幸体質ですね。NTRされたり怪人になってたり、脳が破壊されまくってそう。強く生きて欲しい。

 

の名前がやっと判明し、「バッグを寄越せ」と言っていたのは、ファイズギアが入っていたバッグと、巧のバッグのガワが同じモノだったからということも判明。

誤解も解けたし解散!かと思いきや真理が「変身できるんなら、ベルトを狙ってくる怪人から私を守る義務がある」という超理論を主張。当然巧は嫌がるがなんだかんだで渋々ついて行くことに。

巧は途中隙を見て逃げるが、真理の方はベルトを狙うオルフェノクに襲われ絶体絶命。巧も巧で思うところがあったらしく、真理の危機にギリギリ駆けつけ、守るために変身。初ライダーキックを披露しオルフェノクを撃破。

 

というのがライダー側の大まかなあらすじ。バッグの入れ違いコントを2、3回くらいやってたり、それが原因でファイズギアが質屋で売られていたりする展開もあった。また、「夢」というワードが初めて出てくるのも恐らく2話から。

2話も2話で「攻めてる」という印象を受けた。多分、質屋で売られていたライダーベルトってファイズギアくらいじゃないかな…。しかも店主は腹巻きとして使用したとか言ってたし、ライダーベルトが純粋に「ベルト」として使用され始めたのって、考えてみればファイズからなのかもしれない。龍騎は…どうなんだろう。実体として手に持ってる訳じゃないのでノーカンで!

巧や真理の言動がキッついのも攻めてる。こいつがヒーローで大丈夫か?!という言動や行動を繰り返してたんだけど、最後にはなんだかんだで他人の為に変身し、守るために戦っているのは、根っこの部分にしっかりヒロイズムが宿っている証拠。デレるまでが長いんだよ巧という男は。

こうして改めて観ると、巧と木場の対比がしつこいくらい描写されてるんですよね。2話に限って言えば、真理から逃げる巧と彼女に逃げられる木場、守るために変身した巧と明確な殺意を持って変身した木場、といった感じ。

表面上だけ見ると木場の方がライダー然としてね?と思ってしまいがちなんだけど、よく見れば見るほど巧しか勝たん!となる。

一応フォローしておくと、木場が頃してきたのは心が怪人な人間だけで、特に罪もない人をヤッてるわけではない。だがまあ、自分1人だけの判断でその人間を処刑してるその在り方や独善性をもって「怪人」なのかなと思ってます。

 

あと、改めて思いましたが戦闘はやっぱりカッコいい!気だるげなファイトスタイルも巧のイメージぴったりだしイイ感じに素人感あって好き。

相変わらずの変身シークエンスも印象深く、どう考えても実用性を考慮されてない収納方法や、めんどくさすぎる変身手順等、よくこれで社内企画通ったな…と思ってしまうようなデザインになっている。技術班の人員だけは絶対見直した方がいいぞスマートブレインよ。とはいえ観ているこっち側としては、メカをガチャガチャしてるのは純粋にカッコいいのでどんどんやって欲しい。CSM届くのが楽しみです。

また、地味に真理がライダーキックのやり方を知っていたので、多分トリセツ読んだんだろな…。結局アレって本編中に読んでるシーンは1回もなかった気がします。奴らはゲームの説明書を読まないスタイルか…。

 

 

総括

前にも言いましたが、この頃は一般ドラマな感じが凄いですね。過度なギャグも無く、その分集中して観られるのが良い。一息つく暇があまり無いとも言いますが…。

何かが欠けた人間同士が不思議な縁で結ばれていく話運びはゴリゴリに井上先生って感じ。仮面ライダーや怪人関係なく、1人の人間として個人が描かれているのも見どころポイント。特にこの1,2話では怪人以上に人間の醜悪さも描写されている。重要なのは「力を持っている」かではなく、それを使う側の心意気ということで。これは初代から通ずるテーマでもあります。

 

今後の配信も楽しみです。是非とも観てみてください。

それでは。