そんなにおっぱい要素は無い。
最近Twitterを徘徊していると、「巨乳シスターがヤクザにおっぱい部分の服を破られ、その後なんやかんやあって流した涙の雫で乳首が上手いこと隠れている」漫画をよく見かける。
よくもまあ「涙の雫で乳首を隠す」という、かのToLOVEるにも匹敵する悪魔的発想を、よくもまあ矢吹神以外が思いついたモンだと感心しつつ、本能的にそのシスターのおっぱいに目が吸い寄せられてしまう。
そもそも、デカいって良い。大は小を兼ねるというコトワザもあるし、ロボットはデカければデカいほどカッコいいし、晩飯のおかずはデカいほど嬉しい。その論法からして、そりゃあおっぱいは大きければ大きいほど良いに決まっている。
僕は普段、いわゆる「なろう系」というジャンルにあまり触れることは無いが、今回はシスターのおっぱいという興味を惹かれすぎる要素がある為、おっぱいの真相を確かめるべく、とりあえず単行本2冊を買った。おっぱい課金である。
そんな不純な経緯で読み始めた本作だが、結論から言うと、上述の通りおっぱい要素はほぼ無かった。なんなら主人公はちっぱいで、敵キャラも普通っぱいである。非常に残念。
しかしまあ話はともかく、絵自体はかなり上手く、思いのほかスラスラと読めた。デジタル作画も中々良いモンですね。最近ジャンプ系列の漫画ばかり読んでいたので、こういった絵柄は新鮮だった。
そんな『シリアルキラー異世界に降り立つ』の感想を以下より書いていくよ。ネタバレあります。
本物はナイフを舐めたりしない
あらすじは下記。分かりやすいなろう系である。
止めたいのに人を殺したい衝動が止まらない殺人鬼の男は、望んでいた死刑が執行されて喜んだのも束の間、異世界転生してしまう。女神から託された使命は、男の殺人衝動を活かして12人の転生者を殺すことだった!転生者が聖者とは限らない!異世界転生サスペンス!
引用元:https://bookwalker.jp/series/383944/#:~:text=あらすじ・内容,聖者とは限らない!
なんやかんや書いてあるが、要は「シリアルキラーが異世界転生して、既に転生している12人のキチガイ共を一人一人頃していく」お話。単純。
既転生者12人はどいつもこいつもヤベー奴らしく、極道の元組長だったり、サイコパスだったりと生前からして割とイカれてる。
そんな連中をサクッと頃して貰う為に女神が主人公を選定したらしい。正直、転生候補者の過去見れるんなら極道者とかはフツーに止めとけよと思わなくもないが、まあこれを言ってしまうと何も始まらないので、そこはギリギリ飲み込んで続きを読んだ。
対して主人公は、自分の中の殺人衝動に悩む異常者。頃したくないのに頃したい、かと言って自分で自分を終わらせられるほど強い心も無い。故に極刑こそ褒美…のハズだったが、結局女神によって転生させられ、またまた殺人街道まっしぐら。
そんな悩める若人な主人公だが、早い話がFate/Zero前半の言峰。自らの衝動を抑え込むのか、それとも開き直るのかは未だ不明ではある。つまりこの作品の肝は、この主人公がどのような道を歩むのかだろう。
今のとこ、殺人を犯したく無いと言いながらも、転生者をぶち殺すサマはまんまシリアルキラーのソレ。一応、新しめの話では殺人を躊躇する場面もある。どっちに転ぶかは分からない。
個人的にはシリアルキラーのマネ〜!と言いながらナイフを舐めるギャグを披露するくらいにまで落ち着いて欲しいものである。やはり可愛い女の子がイキ顔晒しながらナイフでサックリやっちまってるのは色々と心配になる。エグい性癖は後々に自分を困らせることになるぞ(誰目線)。
ちなみに転生者は普通に頃せているが、理由は「悪人は人間では無いから」らしい。ヘビースモーカーがあと一本でやめるから!と言ってるのと同じである。やめられない止まらない。
また、話自体は結構サクサク進んで好印象。何せシリアルキラーなのでバトルは少なめ、かつヤる時はサクッと終わるからだ。
話自体も、露悪的な展開を見せて読者の不快感が高まってきた頃合で主人公が殺害に向かう、という比較的オーソドックスな作り。
まあそもそも僕らと同じ人間が、チートスキルを得ただけで果たしてここまでサイコパスになれるのかという疑問は尽きないが、ここもグッと飲み込んで続きを読んだ。
上述の通り、相手もなろう系らしくチートスキルを使ってくるが、なんというか、こう、凄く地味。悪意察知とかステータス閲覧とか、女神に貰ったにしては随分とセコいスキルばかりなのが哀愁を誘う。
一応、チートらしいスキル持ちも後々出てくるらしいが、それが出てくる前に僕が本作をまだ読んでいるかどうかが気がかりである。
そんな感じの展開や戦闘なので、僕自身あまりなろう系をあまり読んだことがなく、どんな感情で読めばいいか分からないのもあり、基本的にどちら側にも感情移入することなく、時々展開にツッコミを入れつつだらだらと読み進めている。
主人公に自己投影しつつ楽しむのが王道?なんだろうが、まあ本作は敢えてソレを狙っていないってコトなんだろうか。『食戟のソーマ』よろしく、話の展開やキャラクター、キメ顔、セリフの雰囲気等々を楽しむ漫画と言ってもいいか。絵が強いのはソレだけで価値がある。
しかし、それにしても「悪意察知」を持った極道の元組長が、スキルの弱点を放置したまま日常生活を謳歌しているのは流石に「???」とは思ったよね。
組長らしくシノギに関するリスクケアは色々やってるのに、何故自分のスキルのケアはしないんだろうかという素直な疑問が湧いたが、ここもギリギリでグッと飲み込んで続きを読んだ。こういうのはツッコんだ方の負けだ。
なんだかんだ言ったが、ツッコミどころは色々ありつつも、悪人が天誅を下される展開にはやはり一定の爽快感がある。そのための露悪的なキャラ紹介で、そのための露悪的な展開なのだ。
そしてその爽快感の中で主人公のイカれ具合がエッセンスとして光る、という作り。
面白い面白くないは人によるが、少なくとも僕はその辺のパーティ追放系とか読んでるよりは面白かった。絵も上手いし、思い出した時に読むくらいのスタイルで追っかけていきたい。
終わりに
ピッコマで毎日1/3話ずつ読めるので、学生の人達とかにはルーティンとして読んでる人も居そうだなと思いました。よくあるスカッとジャパン系なろう漫画のマイナーチェンジ版なので、味変を求めている人とかには一定刺さりそう。
僕は一般社会人なのでその辺のこだわりとかはどーでもよく、シスターのおっぱいデケェな…と思いながら読んでました。あと女の子が可愛い。
気になった人は毎日無料分を消費して読んでみてもいいかもしれません。単行本購入はそこからでも遅くないゾ。
あーだこーだ言いましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。