↑ベストショット。
Steamセール中のゲームを眺めていると、そのうちやろうと思っていたが時間の都合が合わず結局スルーになってしまったゲーム『CODE VEIN』を見つけてしまった(80%オフの¥1500でした)。
発売は2019/10なのだが、発売以降それほど話題になっていなかったのでまあぶっちゃけそういう事なんだろうとも思いつつ、無事ストーリーを1周し終えたので遊び終えた感想を今更書こうと思います。
この会社のゲームはこのゲームとゴッドイーター(以下GE)くらいしかやった事なかったんですが、最近はパタッと音沙汰無しの状態。ソシャゲやらなんやらで大ゴケしてたので色々厳しいんだろうなあ。個人的にはこのゲームやGEみたいな王道ストーリーはかなり好きなんですがね。
それはそれとして感想へGO。
⚠️ネタバレ多数⚠️
目次
ストーリーがそこそこ面白かった
このゲームは所謂「死にゲー」に分類される。既存の死にゲーはストーリーが薄い為、人によっては終盤までモチベが続かなかったりする(筆者もその内の1人です)が、『CODE VEIN』には結構がっつりストーリーが絡んでくるので、先が見たいって気持ちがモチベに繋がりやすく、そんな筆者でもスルッとストーリーを走り抜けることができました。まあこれに関してはその他の理由もあるんですが。これは素直にありがたかった。
世界観は例によってディストピアで、その中で主人公達が色々抗っていくっていう、いつものやつです。ちなみにこのゲームの開発はGEの開発がそのままスライドする形で担当しているので、まあそういう事です。
…というような背景もあって、GEと世界観は繋がっているっぽい。が、時系列や世界線はあえてぼかしてある。ぶっちゃけて言うとディアウス・ピターが出てきます(ムービー中だけ)。とはいえ知らなくても十分楽しめると思います。ニヤニヤポイントが減るってだけで。
↑アラガミとは戦えませんでした。残念。
本題のストーリーなのだが、これがまたなんとも言えない仕上がりとなっている。序盤はマジでファルシのルシがコクーンでパージって感じで完全に置いてけぼりにされるんですが、段々用語が分かってくる中盤あたりから急に話が動き始め、終盤辺りは(影が薄い)ヒロインの秘密がようやく明らかとなり、最後はヒロインの自己犠牲によってなんやかんやで平和!最後は旅に出ます!みたいな話です。いやもうこれ実質仮面ライダー剣じゃん。
この会社のゲームなので結局はベタベタの王道ストーリーに落ち着くんですが、昨今だと逆に珍しく、素直に楽しむことができました。まあ粗はかなり目立ったんだけども。それでも楽しめたのはやはりディストピア+王道の化学反応はそれだけ強力ってことなんでしょう。男の子は王道が大好きなんだ。
ちなみにヒロイン以外のキャラは一応過去を掘り下げられてはいたんですが、どうにも薄い印象しかなく、愛着というか連帯感が湧かなかったです。そもそもシナリオ自体が割と薄味なのもそうですが、主人公の特別な能力のせいで主人公(と最終盤のヒロイン)以外のキャラはストーリー的にほぼ役に立っておらず、何をするにも主人公頼みっていうのが個人的にあまり面白みのない部分でした。
故に仲間仲間言われても「それって利用してるだけじゃね?」って感じでイマイチ感情移入しづらかったですね。まあ探索のお供に連れて行っていればまだ多少は印象が変わったかもしれませんが…。
↑普段着で肩ヒモ外れてるヤベー奴。ちなみに拠点は女比率高め。
あと個人的にかなり違和感があったポイントとして、ストーリーの中盤~終盤にかけてのボスは、主人公サイドの関係者が悲劇の変身を遂げてしまった怪物の成れの果て、といった設定があり。それらを倒した後で条件を満たしていれば復活させられるんですが…。
ボスを倒したあと、これから死別するようなイベントが始まって「あなたの事を愛しています…」「あの子を守ってあげて…」みたいな会話の後に、「うおおお!生き返ったぞ!」「やるなあ主人公!」みたいな会話が始まるんでまあ笑っちゃいますよね。
うーん、多分これボスを倒す前から分岐してたらこんなことにはなってないハズなんですよ。そんでもってボス前にその条件を確認するイベントがあるんで、やろうと思えばそこでイベント分岐出来ると思うワケです。うーむ。
これらを加味するとシナリオ全体の完成度でいえばそこそこ~普通どまりかなと。ただ終盤の尻上がりに熱くなってく展開が僕は好き。そんな感じ。終わり良ければ全て良し!
↑肌色が多くてよろし……けしからん!
難易度は簡単
死にゲーとしてはどうなんだってくらい簡単でした。
筆者はエルデンリングを遺灰霜踏み連発でなんとか1周クリアできるくらいのウデマエなんですが、そんな人間でもこのゲームはクリアまでほぼ止まるところ無く走り抜けられました。
これについてはそもそも主人公が強いのもそうなんですが、何よりNPCを1人同行者としてお供に連れて行けるからでしょう。タゲは若干主人公に向きやすい仕様ではありますが、それもガードぶっぱして後ろから味方に殴らせることもできますし、まーこれが楽なんですわ。ストレスフリー。
↑演出もソウルライク
結局死にゲーってクリアした瞬間の脳汁はスゲーんですけど、それまでの苦行って別に面白くはないですからね。死ぬのは普通につまんないし。あくまでそこへ至るまでの積み重ねが敵を倒した瞬間に思い出に変わるってだけのことで。
けどたまには楽にちょっと強い敵を倒してちょっとした快感を得る。そんなゲームがあってもいいじゃない!
あと探索中はほぼ5秒に1回はNPCが話しかけてくれるので孤独感はあまり無かったですね。これも地味に良かった。立ち止まって所持品確認してた時に「遊んでるヒマは無いぞ」的なこと言われたのはちょっとイラッとしたけどな!基本的に主人公age↑な事を言ってくれるので単純に気分が良かったです。
ちなみにこのゲームでは育成要素としてレベルが存在するんですが、他の死にゲーとは違って各能力の合計値ではなく、レベルそのものの値で能力値が決まるというシステム。このあたりも難易度低下に関わっているのかなと。筆者は後述の理由もあり経験値を雑にレベルぶっぱしてました。
アクションはイマイチ
このゲームは所謂「死にゲー」なのだが...、
アクションは他の作品と比べてかなり劣ると思った。なんなら前年発売のGE3よりモーションが終わってる。間違いなく令和のモーションじゃない。具体的にはGE無印のモーションをソウルライクにして滑らかにした感じ。
あとこれは贅沢というか、かなーり素人目線の意見だがジャンプが欲しいと思った。
これだけフィールドが広いゲームでジャンプなんか実装したらデバッグがとんでもない事になるのは分かる。分かるんだが…。目の前のちょっとした段差くらいなら飛び越えたいと思ってしまうのが人間のサガな訳で…。
そもそもさあ、不死身の吸血鬼なんて存在がさあ、ほんのちょっとの目の前の段差のせいで迂回しないといけないってのもちょっとどうかと思うのよ。設定的にね。
↑これくらいならジャンプで越えたいと思うのは私だけでしょうか…
ちなみに戦闘アクションは殴りの他にガードやパリィ、吸血、錬血、集中なんてのもありますが、ぶっちゃけ殴り、ガード、錬血以外は使いませんでした。他のはほぼ死にボタンと化してます。
というかこのゲーム、基本的に重量武器が強すぎて他の武器はあまり使う価値を見いだせなかった。具体的には両手剣かハンマーで物理で殴る。これ一択。故にこの2つの武器で有効なコマンドである先の3ボタンしか押さないワケです。
重量武器が強い理由は、ただ単純にNPC2人で重量武器で殴ると敵がずっと仰け反るからです。必然的にNPCも重量武器を持ってるキャラになりがち。
このゲームでは経験値を主にレベルかスキルに割り振ることができ、序盤は戦闘で得た経験値をどちらに振るかで悩むんですがだんだん気づいてくるわけです。「これ直接攻撃系で強いやつだけ取ってあとレベルあげればいいんじゃね?」と。やっぱ鬼道系の斬魄刀は11番隊に相応しくないんよ…。
↑まさにこれ
一応フォローしておくと、本作はほぼソロゲーなので色々なビルドで遊んでみるのもいいと思う。筆者はあくまでストーリーを早く見たかった為、効率を意識した結果そうなってしまったが、遊ぼうと思えば魔法職や盗賊職、射撃職でも遊べたりする。結構バリエーションは豊かだったように思う。
逆に言えば、これだけバリエーションが豊かなジョブが揃ってるのに最短クリアは脳筋一択というのがなんとももどかしい。特に今作は盾という概念が無いので、ガードの際は武器でガードする事になる。そしてそのガードは重量武器であるほどカット率が高く、100%カットは重量武器の重派生のみ。そういう事なんだよね。
そんなこんなで結局バランスブレイクしてしまってるので、ここは割り切って縛るなりなんなりしないと楽しめないと思いました。
マップについて
基本的にストレスフリーでわかりやすいマップ。中盤の「白い血の聖堂」は作り込みが凄すぎて正直ちょっとしんどかった。が、ココ以降のマップは簡略化が進み、特に「棺の塔」はかなり手抜きマップだったように思う。まさか令和のゲームで「目の前の扉を開けるためにレバー引く」ギミックを見られるとは思ってもいなかった。
↑聖堂。雰囲気がとってもイイ感じ。
↑しょーもなギミック。存在する意味を問いたい。
ただラストのマップは中々面白いマップだった。構造とショートカットの配置が絶妙で、純粋に楽しかった。こーいうのでいいんだよこーいうので。
グラフィックもそれなりに良かったっちゃ良かったんですが、よくあるバンナム製ゲームのグラフィック と言えば伝わってしまうような領域を抜けられなかったのはちょっと残念。まあこれはテイルズオブアライズでもそんな感じだったのでもう仕方ない。雰囲気を損なう程ではなかっただけ良かったです。
↑ラスダンの入り口。普通に怖い。
総括
¥1500で遊んだにしては満足。だがこれをフルプライスで買った時のことを考えると……。
シナリオ、UI、アクション諸々に粗が目立つが、それでも謎の満足感があるのは終わり良ければ全て良しってことなんだろうと思う。実際エンディングは良かった。ここまで来ると最早エモに割り切ってシナリオ重視で作った方が面白かったかも、とさえ思えてしまう。実際死にゲーってシナリオ抜きでも1個作るのにかなり労力かかってるだろうし。
このゲームやエルデンリングの序盤のような「易しい死にゲー」は個人的に好きなので、そういったフォーマットが作られるとより万人受けすると思いました。まあそもそも死にゲーが万人受けするべきジャンルなのかは置いといて。
とはいえ、とはいえ、80%オフじゃないならこのゲームはまじでオススメできないので普通に他のゲーム買った方がいいと思います。クソゲーという程でも無いし、全然遊べるゲームではあるんだけどね。ガッカリゲーという方がより正確か。
と、案外語ることが尽きないこのゲームだが今回はこの辺りで終わっておこう。直近ではスターオーシャン6が楽しみなのでそれ待ちの生活。
では。
↑いざアラガミが跋扈する世界へ…、俺たちの冒険はここからだ!