MMO欠乏症の筆者が現在進行形で待ちに待っているタイトルこそ『BLUE PROTOCOL』であり、そのNT(ネットワークテスト)が3日間行われた。ベータテストではないっぽいので、恐らくリリース版もほぼコレで行く予定なんだろうと推測。
オンラインMMOって言ったら、天下のFF14様にはもう何やっても勝てないのが火を見るより明らかなんだけど、そんなご時世にまさかの新規IPで、更によりにもよってRPGというジャンルでゲームを出す大手企業が存在するらしい。バンナムっていうんですけど。
しかしいざ遊んでみると、思っていた数百倍はコッテコテのMMORPGで素直に面白かった。
ゲームそのものは昔懐かしのMMOに近いモノがありながら、アクション要素もしっかり存在し、スキル回しもちゃんと有り、それらを美麗グラフィックで彩るという、新しいんだけど懐かしいような、そんなゲームに仕上がってました。
ということで今回はブルプロNTの感想を書いていくよ。半分プレイ日記ですが。
概要
ジャンルはアクションMMORPG。開発元はバンナム。正直、開発元が元なので過度な期待はしていなかったんだけど、今回はそれを裏切ってくれたので安心した。
とりあえず、まず最初に一言。
OPめっちゃテイルズ
キャラ紹介→戦闘→空にカメラ→余韻の流れはもういつものテイルズなんよ。『アライズ』からそれなりに経って、ぼちぼちテイルズ新作やりてーなァ…なんて思ってた時にこんなムービーを出してくるバンナム。そりゃプレイせざるを得ないってモンです。テイルズ欲を人質に取られている。
更には主人公の相棒キャラ(パイモンみたいなやつ)が主人公のことを下僕と呼ぶので、必然的にプレイヤーは「俺は奴隷じゃない!!!」となる。やっぱりテイルズじゃないか(歓喜)。
大まかなストーリーは、記憶喪失の主人公が自分の記憶を取り戻す過程で世界救っちゃう系で、そこにタイムリープ要素が加わる感じ。まさにコテコテのバンナムゲーらしい王道ストーリーになりそうな予感ビンビン。
正直MMOのストーリーって言うほど期待してないのが本音で、大体の場合めんどくせえ!とスキップしがちなんだけど、逆にストーリーが面白かったらモチベが一気にグンと上がる。ココをしっかりやるんなら、力の入れどころとしては間違ってないんじゃなかろうか。
ちなみに本作はキャラクリがあり、主人公の見た目やボイスをある程度自由にカスタムできる。そしてムービー中でその見た目で動いたりしてくれるんだけども、その際、選んだボイスで普通に喋る。めっちゃ喋る。なんなら会話する。
↑結構フツーに喋る
某神喰の『逃げるな!』に似たような感じで、自キャラが喋る(しかも会話形式)のは今までに無い感覚でちょっと驚いた。別に字幕で口パクしても全く問題無いんだけど、こういう所を力入れてる辺り結構ガチで作ってるんだな、と。
ちなみにグラフィックは例によってかなり良い。
フィールドはアニメとリアルの境目くらいの丁度いい塩梅で、キャラモデリングはアニメ調の滑らかなヤツ。動いてる間はアニメと見間違うレベルで綺麗だし、このクオリティでキャラクリができるってだけで一定数の需要がありそう。恐らく課金でキャラクリパーツも増えるだろうし、今後が楽しみ。
『スカネク』もそうでしたが、近年のバンナムゲーはグラの進化が凄いし、なんならコレが基本無料で遊べるのはありがた〜いハナシ。久々にSS撮りたくなりました。
しかし本作の本質というか、筆者が真に面白いと思ったのは上記のようなグラフィック関連なんぞではなく、その圧倒的「MMOらしさ」にある。
昨今いろんなゲームが発売されている中で、やれ移動がめんどくさい、やれ周回がめんどくさい、やれレベル上げがめんどくさいだの、ユーザーのマイナス感情を大なり小なり反映された、ちょっぴり易しめなゲームがここ数年で特に増えてきたように感じる。かくいう筆者とて、ぶっちゃけ周回とか普通にめんどくさいって思うし、やりたくない。
なので最近は「面白いが手間がかかる」ゲームより、「ぼちぼちの面白さで片手間にできる」ゲームの方が比較的ウケている印象を持っていた。実際そうなのかは知りませんが。
……という状況の中、この『ブルプロ』は、時代に逆行するかの如く、しっかり腰を据え、ガッツリ移動や周回をやる「面倒な」ゲームとして作られていた。片手間にできるワケないんだよこんなゲームは。だがその「面倒さ」こそが面白い。
↑冒険者ランク上げも「面倒」だった
1レベル辺りの要求経験値が明らかに令和じゃない仕様もそうだし、素材1個落とす為に効率的な狩場を見つけ、落ちるまでひたすら狩らなければならない位の渋めな素材ドロップ率もそうだし、マップの広さの割にワープポイントが謎に少ない仕様なのもそう。「面倒」なのだ。
だから、しばらく遊ぶとスグに疲れてしまう。「今日は結構やったな…」と。しかしその1時間後に「なんかまたやりたくなってきた…」と再び起動してしまうような、そんな昔懐かしの面白さを感じた。
思うに、受動的な「面倒さ」はただのストレスでしか無いんだけど、能動的「面倒さ」はゲームにおけるスパイス的な役割を果たしてくれる。モンハンの武器作りが、めんどくさいのに何故か作るまでやっちゃうのはそういった要因がある。
能動的ストレス→解放のカタルシスこそがゲームの面白さの本質でもあると思うし、そういった意味でこの『ブルプロ』は、オーソドックスな面白さを追求してあるなァ、という印象がある。
そしてその根源的な面白さを、最新のビジュアルやアクション要素といった現代風のエッセンスでパッケージングすることによって生まれる独特な化学反応こそが『ブルプロ』の面白さの本質なのかな、と思いました。個人的にね。
ただまあ、この手のゲームは「努力をした分だけ報われる」コンテンツなので、逆に言うと「努力をしなければ報われない」というある意味ストイックな部分も確かに存在する。この辺の仕様が近年のゲーマーにどれだけ刺さるかってのが個人的に気になるトコロ。だけどグラブルがあれだけ流行ってるなら問題なさそうでもあるか。
ということで、以下より詳細な良かった点と気になる点についてチョイチョイっと書いていくよ。
良かった点
良かった点は主に戦闘関連。
主人公のクラス(ジョブ?)は、5つに分かれていて、クラスごとに剣盾、双斧、ハンマー?、魔法、弓がそれぞれ使える。
一応ちょっとしたロール要素はあるんだけど、ぶっちゃけあんまり関係なかった(強いて言うなら弓の回復がちょっと有用くらい?)ので、つまりはロール気にせず好きなクラス使ったらいいと思う。一応アクションゲームなので、ジョブに囚われず自由に遊んで欲しいという心意気だろう。ココも凄く現代風で良い。
カチコチのロール制もそれはそれで楽しいんだけど、どーしても責任が1個のロールに集中しがちでもある。てかまあ、皆火力出せた方が楽しいよねっていう単純なハナシ。
↑エフェクト過多のワチャワチャ感こそ至高
上述した「面倒さ」には敵が硬いって面倒さも含まれる。雑魚すら結構しっかり殴らないと倒せないし(しかも序盤で)、ダンジョンなんか1人じゃほぼ無理な仕様なので、ほぼパーティプレイ必須となっている。
じゃあ声掛けて人集めなきゃならんのかっていうとそうでもなく、普通に野良同士でマッチングするシステムがある。ココもしっかり現代風。ソロでも楽しく遊べる親切仕様なので、コミュ障の筆者でも安心というわけだ。感謝シャシャンクス四皇だ。
また、レベル上昇によって分かりやすく強くなれるのも良い。レベルを上げることでステータスが大幅に上がる他、攻撃や自己強化、補助といった、ジョブごとに様々なスキルを覚える。
スキル振りやステ振り等が特に無く、覚える10種類以上のスキルを、上限4個の中でどう選択するか悩むだけでいいのだ。ぶっちゃけ攻撃系のスキルは何セットしても大差は無く、どっちかっていうとレベルを上げているかの方が大事だったりする。あと武器もか。
スキル振り方式も、それはそれで個性が出て面白いんだけど、結局メタが出来て皆それを模倣することになるし、なんならそれ以外は非人間扱いされることもザラにあるので、レベルというわかりやすい指針があるのはライト層にも優しい仕様なんじゃないかなと思う。そういう意味では現代風と言えなくもない。
武器作成も当然あるが、素材はモンスターからドロップさせなければならないのも存在した。そしてこの素材のドロップ率が妙に渋く、沼ると小1時間くらい周回しなければいけなかったようだ。お前のことだぞゴブリンのキバ。
筆者は幸いスグに落ちたので笑顔だったが、Twitterを眺めてると気の毒になるくらい落ちてなかった人も居たのでそっと黙祷したよね。南無。
しかしそのドロ周回もこれぞMMO!って感じで筆者は面白かった。ゲーム側も、明らかに狭い場所で同じ敵が密集する地帯が用意されていたので、「ここで周回してくださいね」というのは分かりやすかったと思う。そういう細かいトコロを大事にして欲しい。
また、防具?のようなモノも作成出来るが、こっちは敵から稀に直ドロもする仕様。たまたまドロップした時は20代半ばにもなって声出して喜んでしまった。こういうのがやりたかった。まあリリース版ではまたやり直しなんですけども…。
そんで防具は、モンスターの素材も勿論だが、どちらかというとフィールドに落ちてる素材を多量に必要とするものが多い印象だった。後述するが、採取の仕様がちょっとアレなこともあって、ここだけの話ちょっとだけ発狂していた。原因はお前だぞ旅藻草。
更に詳細な中身の話をすると分量がとんでもないことになるので、とりあえず上辺をサラッと流しつつ良かった点について書いた。
ゲームの中身自体は思ったよりMMOしてて、面白い面白いとは言ったが、実はこの気持ちは「懐かしい」要素が多分に含まれていると思う。故につまらないと感じる人が居ても全く不思議ではないし、合う合わないは結構ハッキリしそうだな、とも思いました。どのゲームもそんなモンっちゃそんなモンですけどね。
そんで、以下より気になった点について書いていくよい(マルコ)。
気になった点
箇条書きにてまとめて記す。
- 少なくとも序盤のストーリー進行くらいは親切すぎるくらいの導線が欲しい
- マップがワンボタンで開けない
- 採取モーション要らない
- 乗り物に乗ったまま採取させて欲しい
- 採取ポイントはマップに表示して欲しい
- アドベンチャーボードの討伐数は累計にして欲しい
- というかそもそもアドベンチャーボードはストーリーと絡める仕様にして欲しい
- 同じような内容のサブクエやアドベンチャーボードミッションが多くて二度手間、三度手間になることが多かったので改善して欲しい
- ある程度ストーリーに絡むようなサブクエを多めにして欲しい
- ちょこちょこある表示バグは直し…いや面白いし直さなくていいか
- セットできるスキル数を多くして欲しい
- 範囲攻撃の威力や範囲をもうちょい強化して欲しい
- なんなら雑魚はもうちょい柔らかくても良い
- バトルスコアの仕様をもうちょい分かりやすくして欲しい
- ゲームパッドでプレイする時、現状○決定だったので×決定に変えて欲しい。選択できる方式でもいい
パッと思いつくのでこれくらい。他にもちょこちょこあるハズなんだけども思いつかなかった。特にUI関連の拙さが目立つ印象がある。
筆者は「まあバンナムだし…」くらいで済んだけど、MMOやるならとにかく人口を増やすことが最重要課題なので、この辺はマジでサッと解決した方がいいと思う。ブルプロの明日はどっちだ?!
↑このバグ見る度に笑ってしまう
総括
素直に面白かったですね。
流石に気になる点もそれなりにあったんですが、それ以上に「MMOだ!」という感動がデカかった。開発中止のウワサも流れていたトコロからよくここまでもってきたなという感心もあります。「どうなったんだろ…」ってちょくちょく気になってましたから。
常日頃から「FF14がアクションだったら一生やるんだけどな〜」とか「原神がマルチゲーだったら一生やるんだけどな〜」とか呟いてる人間なのでブルプロには期待してます。頑張って欲しい。いつサービス開始なのかは分かりませんが。
しかし「面倒さ」こそ面白い、とは言いましたが、この現代でそれを受け入れられるかはまた別の話なのが辛いところ。個人的には流行って欲しいけどなあ…。無理かもなあ…。
ということで今回はここまで。それでは。