暇日記

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ゲームと漫画のブログです

『メメメメメメメメメメンヘラぁ…』1巻 感想。人生に最も必要なモノは自己肯定感なのかもしれない。

 

Twitterの漫画広告にも色々ある。『黒子のバスケ』がさもなろう系漫画かのような切り抜きをされていたり、「あたしサバサバしてるから〜」というただ純粋な不快要素の塊以外の何物でもない女がひたすらイキってるざまあ系漫画のイキりシーンのみを切り抜いたモノだったり。

 

しかしまあ気になる広告と言えば、それはそう。筆者とて何となく先が気になってその漫画を1巻だけ買って読むということを度々繰り返している。こういう奴のおかげで現在もクソ広告が日々量産されているのだ。大変申し訳ない。

 

『メメメメメメメメメメンヘラぁ…』もそんな経緯で購入した漫画の1つ。今回はその感想。ちなみに『プラスチック姉さん』という漫画のスピンオフらしいのだが、原作の方を全く知らないのでここでは触れていない。申し訳ないです。あとめんどくさいので今後は「メ」は3個くらいの表記にします。

 

あらすじとしては、

 

大学生の主人公(山田)が、毎朝同じバスに乗っている女子高生(佐々木)に恋してしまう。友人には「キモい」と言われつつも、諦めきれず告白したらまさかのOKで喜んでいたが、実は佐々木の方がヤベー奴で…

 

といった感じ。一応公式のも載せておきます。

 

彼女(佐々木)が焼いたクッキーは、強烈なメンヘラ味がした──。

高校生の彼女が18歳の誕生日におねだりしてきたプレゼントは「双子の赤ちゃん」でした。
そんな僕(山田)の彼女ですが、やはりやべーやつなのでしょうか?
ちなみに僕の誕生日に彼女がプレゼントしてくれたものは、まったくもって身に覚えのない「婚姻届受理証明書」でした──。

引用元:https://magazine.jp.square-enix.com/yg/introduction/mememe/

 

タイトルとあらすじで大体分かると思うが佐々木さんはメンヘラでヤベー奴。毎話何かしらのイカれたアクションを起こすので、山田君がそれをいかにして捌くか、というのを無限に続ける漫画。なのでラブコメというよりコメディにかなり寄っている。ってかギャグ漫画。

 


広告分を読むだけでも大体雰囲気は掴めると思う。佐々木さんはステレオタイプなメンヘラの部分を持ちつつ、話によってはただひたすら山田君を虐めているだけの回があったりと、やりたい放題。

山田君も山田君で、刺されり髪引っこ抜かれたりしても次の回には元通りになっているので心配は無用である。うん、これギャグ漫画だな!

 

筆者的に好きなポイントが、山田君のめちゃくちゃまわりくどく面倒臭いツッコミ。そしてそれが妙に豊富なボキャブラリーから繰り出されるので、爆笑!はあんまりないけどアベレージで「クスッ」を量産してくるような面白さがある点。

佐々木さんはナチュラルボーンサイコなので、もう何やっても面白いみたいなとこがあるが、それに対して、山田君が恐らくこのような漫画(褒めてます)を読むような層にしかウケないような陰キャ感溢れ出る回りくどいツッコミ(褒めてます)や、ただひたすらマジレスををぶちかますのが面白く、1周まわって新鮮なのだ。

僕は基本的にお笑いやギャグ漫画を読むとき、ツッコミに着目する習性がある。具体的には、どれだけボケとの(言葉の)距離感を保ちながら、かつ面白い言葉をどのような勢いでツッコむのか。

『スケダン』のヒメコとかはかなり好みだが、福田雄一作品の佐藤二朗のようなツッコミに見せかけたボケとかも結構好き。そしてこの山田君はどっちかというと佐藤二郎タイプだと思う。ツッコミ役すらボケに回り出した瞬間のカオスこそが至高なのだ。

広告だけ読むと山田君が100%被害者のように思えるが、こっちもこっちで彼女の誕生日を忘れてたり、家のインターホン鳴らされても居留守使ったりと向こうに負けずやりたい放題やってるので、自業自得とまではいかないがまあしょうがないなと思える部分もある。どうせ次の回には復活するしね。色々と。

また時々垣間見える倫理観のヤバさも必見。「いや、そうはならんやろ」とちょくちょくツッコみたくなる場面が多数ある。そういえばこの漫画は男子大学生が毎朝同じバスに乗ってるだけの女子高生(未成年)ガチ恋するところから始まったんだったな…と思い出させる塩梅に仕上がっている。山田よ、冷静にヤベー奴だよお前も。

 

また、佐々木さんは、このタイプのヒロインにありがちな人の話を聞かないタイプかと思ったら実はそんなことは無くて。一応話はちゃんと聞いた上でサイコムーブやってるのでこれまた面白い。

家に不法侵入したりコンパスでグサグサしたりと怖いもの知らず。おいしいツッコミの前にはおいしそうなボケが必要なワケだ。そもそも彼氏に対しての二人称が「ブタ」なのが既に面白かったりする。勿論(?)話全く聞いてないムーブも多分にあるので安心。

しかし時には乙女チックな行動も取る。作中で別れ話になったことは(1巻時点で)無いのでまあそういうことなんだろう。学校で彼氏自慢したり、骨折した山田君をつきっきりで介護したりとかね。実態はめちゃくちゃ誇張して自慢したせいで迷惑かけまくったり、骨折させた原因が佐々木さんだったりするんだけども…。

こんなんやってたら周囲の人にバレた時やべーだろとか思ってたけど、冷静に考えると基本自分の事しか見えてないから大丈夫そうだな、とも。完全なる「無敵の人」なので、今のとこ現実でのストレスが多い僕が最もトレースするべき人間は佐々木さんなのかもしれない。

人間誰しもメンヘラの素質は持っているのだし、俺1人メンヘラになった所で何ら不思議では無いだろう。男がヘラると死ぬほどキモい上に何故かTwitterでツイートしたがるので、周囲の人にとっては公害にも等しい存在まで落ちぶれてしまうという明確すぎる欠点はあるのだけど。しかし逆手に取れば、人間関係がめんどくさくなった時ヘラツイートを連投すれば自然に人は離れていくし、これを現実にも応用して常にヘラった状態と錯覚させられれば全てを断ち切ることができるのかもしれない。やらないけど。

そんなこんなで佐々木さんは僕の師匠になってくれるかもしれない存在なのだ。全てがめんどくさくなった時にメンヘラを眺めて気力回復を測るのも大事だと思う。ライフハックというヤツだ。

 

 

といった漫画が『メメメメンヘラぁ…』でした。暇ならば読んでみてもいいかもしれません。面白く感じるかの保証はできませんが。

なおこれまでの話を全てひっくり返すようだが、今のとこ2,3巻の購入予定も意欲もないので、読了済みの方はご感想等教えていただけると幸いです。

それでは。