暇日記

暇暇日記

ゲームと漫画のブログです

【FGO】 2部1章&2章『永久凍土帝国アナスタシア』『無間氷焔世紀ゲッテルデメルング』感想。【Fate/Grand Order】

 

表題の通り、2部1章&2章をクリアしてきました。

 

開幕からブチかまして申し訳ないが、1部1章&2章『オルレアン』『セプテム』とは比べ物にならないくらいシナリオが面白くてビックリした。

FGOそのものの土台がまだ出来上がって無かったとはいえ、1部序盤は薄めたカルピスをさらに水で割ったような冗長シナリオが続き、面白い面白くないは人によるにしろ睡眠を促す俺の中の悪魔vs使命感だけで読ませようとしてくる天使vsダークライな状態だった。章ごとのラスト付近は流石に面白かったけども。

 

それが2部になると、流石にスラスラとまではいかないものの、純粋に興味関心だけで読み進められるような出来上がりになっていて非常に良い。

それに伴い、虚無の雑魚戦も相当少なくなっていて読む上でのストレスも減っている。個人的にコレが1番デカい。

異聞帯サーヴァントの設定も中々面白く、原典とを比べてあーだこーだ推測する流れも楽しい。その他の割とどーでもいい部分の話が長く少々ダレたりもしていたが、それ込みでも概ね面白かったと思う。

 

ということで以下よりそれぞれのシナリオについて詳しく語っていくよ。

 

 

『獣国の皇女』

ifロシアの話。

 

初っ端から地球が白紙化されたと思いきや、そこからは成り行きでロシアに踏み入って、マシュも戦力外で、たまたま出会った現地民経由でドンドン話が進んでいく、と後手を取らされまくる序盤から始まったのは印象的。

特にアヴィケブロン先生はマジで働きすぎだと思う。いなかったら詰んでた場面は結構あった。

終盤にかけては、なんとか掻き集めた戦力でデカすぎる敵をどうやって倒すか、というFGOらしい展開はそのままに、ロシアの正史異聞帯の差を絡めつつ決着まで持っていく流れが秀逸で面白かった。

 

f:id:ichikasu:20231204203401p:image

 

シナリオを俯瞰して見ると、今回は1章に相応しく主人公サイドの「今後の方針」が主題だったなと。

これまではゲーティアという人類そのものに対するでありがいた為、「戦う理由」そのものがそこまで重視されておらず、我らが藤丸もそこまで葛藤せずに済んでいたし、こちら側としても見ていて違和感はそこまで無かった。

しかし今回は正真正銘「人間」vs「人間」の構図であり、二元論で片付けられるような簡単な話では無く、世界を「救う」のではなく「勝ち取る」必要があるワケだ。

その構図自体は、割と序盤の方で読者側は察する事が出来るようになっていて、ならば我らが藤丸はどういった決断をするのか、そもそも決断できるのか、という部分に注目していたんだけども……。

 

そんな『永久凍土帝国アナスタシア』、見どころは沢山あったが、筆者的には色んな意味でパツシィの1枚絵、及びその付近のやり取りが好きだった。

 

f:id:ichikasu:20231204185152p:image

 

こういう現地民(今回はヤガ)って、基本的には世界観説明の為の"駒"のようなイメージが強いんだけども、パツシィは序盤から描写が濃いめで。

所詮ネームドモブなのにヤケに育てるな……なんて思ってたら、よりにもよって1番アチィとこで仕込みが起爆し、美味しい部分を全部持っていった流れがかなり印象的。

 

そんなパツシィパイセンの命懸けの言葉によって藤丸は腹を括るワケなんだけども、コレって捉え方によっては世界を滅ぼす理由を他人に求めてることになるんですね。実際僕はそう思った。

マシュや他の皆には「主人公が自分で考え、悩み、パツシィに背中を押されて決断した」ように映るんだろう。違うんだなコレが(多分)

パツシィage↑の弊害なのか、それとも意図的なモノなのかは今のとこ分からないが、いずれにせよ藤丸の決断が見たかった僕的には少々残念だった。まあ後の章でこの伏線が回収されるんなら掌を返します(浅い)

 

また、「強さ」の真髄は「人との繋がり」であるという普遍的なメッセージも良かったと思う。

それが分からない故に、力が「強い」だけのヤガの世界はやはり消える運命にあるし、あくまで自分(とアナスタシア)しか見えていないカドックが負けるのもまた必然であった。

彼の「物事の理由を己に求める」というストイックな姿勢は個人的に凄く好きなんだけども、主人公のライバルキャラがソレやっちゃうと空回りしかしない典型的な例だった。

上手く殻を破れれば一気に突き抜けそうなキャラなので、もし再登場するなら主人公サイドでバリバリやって欲しいですね。今回で痛い思いもしたし、これが切っ掛けで外へ目を向けられれば化けるキャラだと思うんだよなァ。

 

そんなこんなで面白かったです。2部の骨格にもなる話だったので力の入り方も他とは一味違う感じでした。

 

f:id:ichikasu:20231204203323p:image

 

 

『消えぬ炎の快男児

……という1章エピローグの余韻を、ターボ言峰で全部持ってかれたのは思わず爆笑してしまった。ロケラン担いだ生身で車と並走するな。

そんなこんなでカド坊が連れ去られてしまって元の木阿弥。まあ彼も前章の1件で「生きる」と決めたようなので、どんな目にあってもアナスタシアを忘れない限りは足掻き続けるんでしょう。

 

そんで今回の異聞帯でも基本的には後手後手の立ち上がり。更にはホームズまでダウンしてしまい、正味かなりヤバい展開だった。

というかスカディ姉貴の気分次第で簡単に全滅できる状況が続いていた辺り、色々とロシアよりヤバかったと思う。つまるところ、もしオフェリアさんが機能していたら瞬殺だったと……。軽い気持ちでこの異聞帯に来たのにねェ〜〜〜(黄猿)

 

f:id:ichikasu:20231205194927p:image

 

『ゲッテルデメルング』も前章と同じく、どのキャラも一定の見せ場があったと思う。その中でも一際輝いていたのがやはりナポレオン

表層的には軟派な印象を受けがちなキャラだったが、その中身は救いを求めるオフェリアを助ける為にその身1つで立ち上がる、まさにの文字が良く似合う男児だった。

オフェリアへの求婚は途中までガチでただのギャグ描写だと思っていたんですが、まさかのミスリードで素直に驚いた。その快男児ぶりには流石のオフェリアさんも心を開いていき、そこからカルデア勢に合流からのスルト撃破の流れ。

 

やはりあのタイミングでオフェリアに執着する真相が明かされるのは激アツ。可能性を諦めた女に可能性を示す快男児の対比も良く、過去を振り切って大令呪を使う流れも自然。

しかし代償として命を落とす事が判明し、最後は独白を呟きながら事切れる。この辺は流石に死ぬとまでは思っていなかったので若干ショック。しかし精神面では確かに救われていて、本人も納得して命を燃やしていた為、この手のキャラが退場した割には後味がかなりスッキリ。良かった。

 

f:id:ichikasu:20231205195301p:image

 

またスカディ姉貴も、もうちょい精神の闇の部分を掘り下げて欲しかった感はあるものの、光の部分が強すぎてこれはこれで中々良いキャラだったと思う。

そして彼女の光が強調されればされる程、その夢のような異聞帯を土足で踏み荒らすカルデア勢との対比になるのも面白い。

途中、新所長の「もはや異聞帯の現地民とは関わらない方が良いのでは?」というまさに第三者目線の正論がブチかまされて、返しとして「それは思考放棄であり、異聞帯の人々の生き様に向き合わずにそれをやってしまうと、今度こそただの人殺しになってしまう」という旨のセリフはかなり印象的だった。

僕自身、読み進めていてかなり引っかかる部分だっただけに、ハッキリと宣言してくれたのは嬉しくもあり、我らが藤丸もなんだかんだで覚悟キメてんだなと安心した所でもある。

 

そんなこんなで2章も面白かったです。特に終盤は1章より好きだったかも。

 

f:id:ichikasu:20231205202129p:image

 

 

終わりに

とにかくボス戦が辛い

2部の敵は強えぞ〜〜〜という先達の教えは受けていたが正直ちょっと舐めてた。ノーコンはちょっと無理ですねクォレハ……。

ここにきて新規勢特有のキャラの少なさがジワジワ効いてきている感もあり、多キャラ育成に目が行き始めたのは良い傾向なのか悪い傾向なのか。とりあえず全部バーサーカーで行くと瞬殺されることだけは分かったので、ぼちぼち色んなクラスを育てなきゃですね。

3章以降も面白いらしいので楽しみ。ゆっくり急いで進めていきます。

 

あーだこーだ語りましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。