暇日記

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ゲームと漫画のブログです

【FGO】 2部3章『人知統合真国シン』感想。【Fate/Grand Order】

 

表題の通り2部3章をクリアしてきました。

 

今回は中国異聞帯のお話で、「不老不死を実現させ、2200年間中国を統治している始皇帝」が存在する世界。スケールがでっかい。

シナリオ担当は虚淵玄らしい。まどマギFate/Zeroの印象が強すぎて少し身構えてしまうが、蓋を開けてみれば随分と明るめな話で安心した。

本筋は相変わらず重めなのだが、雰囲気としては概ね陽性であり、ジメジメとした湿度はあまり感じなかった。こういう話も書くんですねこの人。

 

ということで以下より詳しい感想に入る。ネタバレ有りなのでご注意ください。

 

 

かんそう

シオンに拾われる所から始まった最序盤から、『シン』の内情を知る序盤、1度は納得しかけるも「それでも」と克己する中盤、そして互いの正義をぶつけ合って決着する終盤、という流れ。

 

個人的には序盤〜中盤にかけての「完成された世界」を知る過程が面白かった。

始皇帝か、それ以外か」の価値観で構築されていたとはいえ、「人間がストレスを感じずに生きられる」という点においては最高の空間であり、これまでの異聞帯と比べてもかなり幸福のレベルが高い世界だったんじゃないかと思う。

日々社畜として生きている僕的には、精神をすり減らす現代日本より、正直『シン』に住みたいという気持ちの方が強い。オラこんな国さ嫌だぁ!

 

「そんなものは家畜と一緒だ」という主張を主人公サイドが終始言い張っていたんだけど、僕自体が毎日「レールに乗った生き方してえ〜〜〜」とか思っている自堕落な人間なので、「家畜で良いじゃねえか!楽なんだし!」と顔を真っ赤にして反論しながらプレイしていた。自分で言うのもなんだが、人間こうなってしまっては終わりである。

実際、スパ先輩(スパルタクス)も「汎人類史以外は間違いであると決めつけるのは良くない」的なことを言ってたし、俺は悪くねえ。

 

しかし、そんな「無知ゆえの幸福」を実現した世界であっても、人は人に影響され合うワケで。

白紙に垂らした墨汁のように、知恵は人と人を繋ぎ、伝染していく。それを進化と取るか、はたまた「病気」と取るかはこの異聞帯の行く末を決める重要な事柄であった。

これまで人間賛歌を描いてきた『Fate』ならば、今回も当然前者が勝つのは分かりきっていて、故にその過程の部分にこそ面白さが潜んでいる。

ということで今回の始皇帝も思っきしエゴ丸出しなキャラでとても良いキャラだった。これホントに虚淵脚本なのか?!ってくらい砕けまくった口調は若干気になったが、行動にはしっかり芯があり、かつ自国のためには手段を選ばない強かさをも併せ持つ、まさに理想の王。

 

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「完成」vs「伸びしろ」という構図も、ベタながらやはり熱くなる。この手の問答はどうしても『BLEACH』のザエルアポロvs涅マユリの舌戦を思い出してしまうが、2つとも大体同じような着地だったように思う。

やはり「完成」されているということは、そのまま「可能性を奪っている」とも言い換えられるワケで。結局この異聞帯が剪定された理由は「伸びしろ」が無いこと自体よりソコにある気がしてならない。人類の可能性を奪う世界なら、そりゃあ地球的には不要だよな〜、と。

「より良い世界を作るために人間1人で治められる範囲まで世界を縮小させる」という、まさに本末転倒な状況である。やはり1人分のエゴじゃ世界を治める器には足りないということか。

 

だが僕はそんなエゴい始皇帝が大好きだ。振り返ってみるとやっぱり良いキャラですよホントに。最後の方の、互いの正義を力で証明する流れも良いですし、漢とはかくあるべしが詰まっている最高のキャラである。とても良い。

ただ戦闘ではだいぶ苦戦したので、そこだけはマジでカスだと思う。宝具があまりにも脱法すぎて対策必須だったのはマジで許せん。始めたてだからキャラ育成そこまで進んでねーんだ…。

 

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また、個人的に1番熱かったのは↓のシーン。

 

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「英雄」が望まれない世界で、無知な人々が自分達の可能性を知り、人間の極限を知り、英雄を知る。そして英雄が認識されたことによって英霊召喚可能になる、という流れがあまりにも熱すぎる。ここは見た人全員燃えたと思う。

まあ、結果が馬と不審メガネ召喚と考えるとなんとも締まらないが、それもスパルタクスらしくて良いと思う。あいつら終始微妙な活躍だったからな…。

 

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荊軻も良いキャラだった。

デカすぎるメカ始皇帝に対し、まさかのコンピュータウイルスで暗殺を試みるのは、未発達な『シン』の機械文明に対するカウンターとして素直に面白かったし、結局暗殺には失敗したものの、それでも最期に笑って果てるその在り方こそ「荊軻」である、というオチも良い。

そしてこの問答によって、始皇帝にも人間の「可能性」が見えてしまい、それが間接的に『シン』の崩壊に繋がるという、勝負には負けたが試合には勝った感も解釈一致。ここはしっかり過去を踏襲しているのも見応えあって面白かった。

 

と、そんな感想でした。個人的には、今のところこの3章が2部の中では1番お気に入りです。

雑魚戦も比較的に少なかったし、少なくとも1番ストレスフリーで楽しめた章です。面白かった。

 

 

終わりに

ちょうど正月休みってのもあってサクサク進められました。

アルクェイドという最推しサーヴァントが引けたのもあり、今はモチベ高い時期なのでこのまま4章もガッツリ進めていきたいです。

 

ところでシオンとかいうキャラ、こいつめちゃくちゃメタメタな発言ばかりしてますが大丈夫なんでしょうか。Fate世界にジンバブエドルがあったのは笑いましたが、これは虚淵の遊び心なんだろうか…。

 

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あと特に触れてませんでしたが、虞美人のお話も見応えあって良かったですね。

ただ正体バレする以前からTwitterやらで見た目は知っていたので、むしろ「なんで虞美人がクリプターなんだ?」と、逆の疑問を抱いていました。今後も付き合っていく問題になりそうです。

 

あーだこーだ語りましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。