まさかの令和に『ペルソナ3』がリメイクされるということで、発表から発売までずっと楽しみにしてきた『ペルソナ3リロード』。
発売当日からダッシュを決め込んだ本作だが、ボイス新録だのBGM新録だので、隅々まで遊び尽くしていたらクリアまでに思いのほか時間がかかってしまった。
しかし、それだけドハマりして遊んだということでもあり、僕的には大満足のゲームだったので、以下より感想をダラダラ語っていく。過去作含めて3周目のプレイなので、初見の感想じゃないのは申し訳ない。良ければお付き合いください。
なおネタバレは、シナリオの欄で結構入ってるので、苦手な方は飛ばしてください。
BGMとかグラフィックとか
とにかくBGMが良かった。
ボーカルが新しい人になっていて正直ちょっと不安だったし、なんなら最初の方は「?!」と戸惑いの方が大きかったが、慣れてくるとむしろリロードverの方が好きになってきたまである。
新規戦闘曲の「Its going down now」はチャンスエンカ時なので必然的に聴く機会が多く、遊び終えた今でも未だに耳にこびりついて離れない(褒めてます)。
あと改めてプレイすると、思いのほか「キミの記憶」のメロディが随所に使われていて驚いた。実は結構バンバン流れてるので、気づかなかった人は是非とも聴き直してみて欲しい。
また、キャラデザインも一新されて、より現代風というか、悪い意味での「アトラスっぽい顔」の成分をあまり感じない仕上がりになっていて、素直に良かった。
特に風花。正直3はブs…少々変わったお顔立ちだったが、リロードでは普通に可愛い。というか女性陣では最推し。勿論ゆかりっちも桐条パイセンもおキレイな顔立ちになっていました。
逆に男陣はあんまり変わっていない印象。順平の睨み顔がちょっと生々しくなってたくらいだろうか。真田パイセンはよりシブい声になっていたし、天田は相変わらずシンジ君だったし、なんというか、めちゃくちゃペルソナ3やってるな今!って感じ。実家のような安心感。いやまあキャラ同士はギスギスしてますが…。
ゲーム部分
ここで言う「ゲーム部分」ってのは、戦闘やペルソナ合体、UI、コミュ、人間パラメータなどの、まあ要するにシナリオ以外の部分のことである。
元が元なので、どんなに腐っても一定以上の面白さは担保されているだろうと思っていたが、単にグラフィックが今風にマイナーチェンジされていただけではなく、既プレイ未プレイ関わらずちゃんと満足できる出来映えになっていたと思う。
細かいとこから話していくと、まずはやはりUI。
メニュー画面だけでなく、スタート画面やショップの購入画面にまで気が利いている。個人的に、ペルソナUIって『5』から明確に オシャレさ>快適さ に振り切ってきた印象があって。
メニュー、スタート画面ではジョーカーがぐんぐわん動き、日常生活で絶対やってないであろうキマったポーズで画面の奥の僕を見つめている、あの感じ。
その日起動した直後だと「いやUI凄いな!」と感動するが、何度も開いてると「いやもうソレはいいんでスピーディにやって貰っていいっすか…」となり、翌日起動すると「いやUI凄いな!」とループする、あの感じだ。
それと比べると、本作のUIはかなりシンプルだなと。パッと見はすんごいオサレなんだけど、ボタンを押した瞬間に次の動作に移れるようになっていて、細かいストレスが無く非常に快適。レスポンスが良い。
そんで新規に追加されたリンクエピソードは語るに外せない。日常会話以上コミュ未満という塩梅のエピソードで、コレ1本でキャラの好き嫌いが分かれるレベルでは無いが、キャラの深掘りもとい、各キャラのシナリオでの「ん?」と思う発言や行動に対するフォローイベントとなっている。要するに荒垣と順平と天田の為のイベントである。タルンダ先輩は知らん。
個人的には、順平の例のセリフに対するフォローがなされているのは気が利いてるなと思った。アレは良くも悪くも3を象徴しているセリフというか、アレを無く(もしくは改変)したら「3らしさ」のようなモノが薄れてしまうクセに、そのままにしたらしたで初見の人は「え???」と思ってしまうであろうセリフなので、扱いが超難しい。
後付けでフォローするのはリメイクとしてどうなん?とも思いつつ、なんだかんだこの塩梅がベストだとも思う。リメイクって難しい。
また、人間パラメータは普通にペルソナ3準拠で3枠だった。ここは5枠で実装されると思っていた為、正直ちょっと驚き。
コミュの話も少し絡んでくるが、3枠だと早々に上げきってしまい、僕の場合は夜の時間が完全に作業と化してしまった。かといって、5枠にして他はそのまんまにしろと言ってる訳でもなく、要はバランス。
戦闘やシナリオはもちろんペルソナの大きな魅力だが、コミュ活動に頭を悩ませながらスケジュールを練ったりできることも、前者に比肩するレベルで大きな魅力だと思っていて。
それが、パラメータを上げきって、かつ社長や坊主のコミュを上げきってしまうと割とマジでやることが無くなり、タルタルに行くかテキトーにPC眺めるか、くらいしかすることが無いのは相変わらず残念だなと。
しかも中盤くらいでこの状態になってしまった為、魅力を損なってしまっている部分として流石に見過ごせない。一応リメイクだし、3から変わってるかな?と思ってたけど残念ながら変わっていなかった。とはいえ、3を履修済みだからこそ感じるモヤモヤでもある為、初見の人はあんまり気にならなかった説もある?
一応、3枠だからこそ迷いなく特定のパラメータを上げられる、と言い換えることもできるし、なんだかんだ一概には言えない所もある。
結局何が言いたいのかというと、3枠そのものが悪いのではなく、ただただ夜が暇ということ。なんなら夜にやることいっぱいあるなら5枠より3枠の方が良いまである。でも5枠でコミュ活動に頭を悩ませるのも楽しいし……と、どちらが良いのかを言い切るのは割と難しい。
僕自身、せっかくゲームやるなら頭悩ませたい側の人間なので5枠推しだが、3枠で楽チンチンに進めたい気持ちもわかる。好みの問題ですね。
コミュはグルメキング以外はどれも好きだったが、中でも千尋コミュは純粋に可愛くて好みだった。毎度お誘いのメールが鬼の長文で、これだけで激重なのが分かるのも愛らしい。年下っていいよな…。
男だと坊主コミュが面白かったです。一番選択肢でストレスがなかったとも言う。
そんで、戦闘とペルソナ合体は相変わらず安定した面白さ。長年コレでメシ食ってるだけはある。当然UIは使いやすい且つオシャレに変更されていて感動。
特に戦闘は、元の3に比べると難易度が易化しており(テウルギアとかコンティニュー機能とか)、素直に遊びやすく面白かった。体感だが、ノーマルで遊んだ感じだと被ダメージが少し低い?ような気がする。SPまわりもちょっとユルい?
今の時代、ソウル系以外は高難易度だとあまり受け入れられない印象がある。ここにきてメガテン5みたいな「正気か?!」と言いたくなるような戦闘バランスだったらどうしよう…と不安だったが完全に杞憂だった。反射持ちも比較的少なめだったし(多分)、かなりストレスフリーな印象。
ただ、ここでも『5』と比べてしまい大変申し訳ないが、脳汁が出るほどのカッコ良さ、オシャレさという観点では『5』ほどでは無かったと思う。
基本的に3のモーションをそのまま今風にした感じなので、見ていてもっさり感はやはり感じる。
総攻撃撃破後の1枚絵も、なんというか、『5』で大ウケしたから3でもとりあえず入れてみました感があり、勿論カッコいいはカッコいいんだけどシャッフルタイムのタイミング含め、もーちょい何かあったんじゃないかとも思ってしまう。これは僕が期待し過ぎなだけだろうか。
敵シャドウは、各アルカナ毎に固定された見た目で、華やかさは無いものの、ペルソナ取得に所謂「悪魔会話」が不要であり、『P5』『メガテン5』と、ここ最近は連続でモヤモヤしていた僕的には久々にストレスフリーな環境だった。人間パラメータでグダグダ言ってた件を棚に上げるようだが、やっぱりシャッフルタイムは楽チンで良い。冷静に考えて悪魔会話ってダルい。
新要素のテウルギアも、やってること自体は分かりやすく「必殺技」なんだけども、やはり演出が良いモノばかりで、なんだかんだ最後までスキップしなかった。個人的にはゆかりっちの技が好きでした。
ただまあ新要素ではあるけど「新感覚」では無く、ぶっちゃけるとそこまでの目新しさは無い。ゲージ増加も「いつの間にか貯まってた」パターンが多く、(主人公以外は)戦略性もそこまで無いかなと。主人公のミックスレイドは超強力なのでまた違う話になってくるんだけども。
とはいえ「目が楽しい」ってのはゲームにおいて凄く重要なので、こういう要素は大歓迎である。メリハリも感じられるし良かったと思う。
総じて、『5』から入った人向けのリメイクとしてちゃんと面白く仕上がっていたと思う。メインコンテンツがタルタルってのだけは懸念点だが、BGMは相変わらず神だし、戦闘もスタイリッシュだし、コミュもちゃんと面白いし。
見返すとネガティブな意見もそれなりに書いてしまったが、プレイ中は終始ニコニコだったし、上記のモヤモヤポイントもガチで否定している訳ではなく、どちらかと言うと、休日家で酒飲みながらスポーツ観戦して「この選手はここがダメだ!」「もうちょい何かあっただろ!」とヤジを飛ばしてるオッサンのソレに近い。
僕の中だとペルソナシリーズはそれなりに大きなウェイトを占めるゲームな為、100点を前提にプレイしてしまうのがダメなんだろう。やっぱり心の余裕って大事ですね。あげちゃってもいいさと考えるんだ……。
シナリオとか(ネタバレあり)
今はただ、翼をたたんで、ゆっくり眠りなさい(号泣)
上記でダラダラ色んなことを語ったが、本作1番のストロングポイントは間違いなくシナリオだと思う。
「死」がテーマということで、物語の道中では様々な「死」に直面してきた。親の「死」、仲間の「死」、恋人の「死」、そもそもペルソナの召喚にすら「死」を連想しないといけない、というまさに「死」づくしのシナリオ。時代が時代だし、開発背景も相まってかなりメガテンみを感じる部分である。
しかし、それらの試練を全て乗り越え、人の恐怖の究極ともいえる「自分が死ぬ恐怖」と共存し、果てに自らの"命のこたえ"に辿り着き、「死」そのものであるニュクスを「封印する」。
そして、人造の生命はその生き様を目の当たりにし、やがて自らの「生きる意味」を見出す…という、全体の流れで見てもかなり綺麗なストーリーでめちゃめちゃ面白かった。
個人的には、やはり「死との共存」という着地が大好きで。それは、乗り越えるでもなく、忘却するでもなく、共存する。生命であれば「死」は避けられないからこそ、生命は「生きる」ことが出来る、という哲学じみた問答。
「死」があるからこそ「生きる」ことが出来る為、ニュクスを倒してしまえば、それは逆説的に「生きる」ことを否定することになってしまう。
そして旅の終わりとして、約束の場所で皆と再開し、眠るように息を引き取る。なんというか、とにかく余韻が凄い。10年振りくらいにこのエンドを見ましたが、ラスト付近は自然に息が止まってましたね。ペルソナに殺される。
『リロード』発売前は「キタロー生存ルートとか無いかな〜〜〜」とか思ってたが、いざエンディングを迎えると「やっぱこれしか無いのでは?!」とも思う。いや〜改変無くて良かった!
というのが建前。
本音は
うるせ〜〜〜〜〜〜!!!!!うるせ〜〜〜〜!!!!!!!キタロー生存大団円エンド寄越せェェ〜〜〜〜〜〜!!!!!バカヤロ〜〜〜〜〜!!!!
いやあの、生存エンド作ってもらっていいですか(ひろゆき)。
だってよォ〜〜〜〜〜!!!あれから何年経ったと思ってんだよォ〜〜〜〜〜〜?!18年だぞ?!18年っつったらおめぇ、保育園児が成人する歳月だぞ?!そろぼち大団円しても良くねえか?!
いやまあテーマ的にキタローは死ななきゃならんのは重々承知の助なんだけども、そこはホラ、理屈とか屁理屈をこねくりまわしてさあ!2週目以降限定エンドとかで実装しても良くない?!?!
確かに肉体的な「死」はエンディング前に迎えたんだけどさあ!!「魂」は「封印」するために生きてるじゃんねえ?!なんか、こう、その、無いの?!?!?!その辺の屁理屈をこねくりまわして何かないの?!?!?!完全版で大団円エンドとか作ってもらってもいいのよ?!?!?!「完全版は作らない」とかカッコつけなくていいんだよ!!!!どうせメガテン5完全版でめちゃめちゃマイナスイメージ発生してるんだしさ!!!
と、まあ、ほんの僅かな極小のミクロレベルで多少の不満はあったものの、話の本筋は見応えがあって、相変わらずとても面白かった。
特にラストは何回みてもグッとくるものがあり、数々の不満なんて軽く吹き飛ばしてくれるくらいの圧倒的余韻がある。唯一の問題点はもう1周する気がすぐには湧かないことくらいだろうか。こんなに感動したのも久々である。既知のエンドなのに……。
総括
神ゲーでした。
『5』から『3』に入る人向けのゲームとしては、ほぼ完璧と言ってもいいくらいの完成度なんじゃないでしょうか。というか本作のターゲット層はおそらくソコなんでしょう。
なので、敢えて本作の難点を挙げるならば「『ペルソナ3』の面白さ」は感じたが、「『ペルソナ3リロード』の面白さ」は感じづらかった点。
元が元なので、そりゃもちろん最高に面白いゲームだったんですが、思った以上に『3』そのまんまだったなと。特に、原作の悪い点までそのまま引き継がれてるのは気になりました。
それが逆にイイ!という人も居ると思いますが、僕は基本的に変化を求める人間なので、そういった人種としてはほんのちょっぴりだけ残念だったなと。基本は神ゲーなんですけどね。
また、改めて思ったのは、やっぱり『3』のシナリオはちょっと特別感あるというか、感情の振れ幅が他作よりデカい気がします。ソロゲーでプレイが習慣になるゲームって中々無いですよ本当。
今年は『メタファー』も発売予定ですし、一応『メガテン5完全版』も発売予定ということで、圧倒的アトラスの年になるかもしれませんね。今からが楽しみです。
わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。
追記:エキスパンションパス(DLCパック)にて『エピソードアイギス』が来るらしいですね。キタロー生存エンドは絶望的ですが、これはこれで楽しみ。面白かったら感想書きます。